フリーライターの“よしおとよしこ”の企画置き場です。姉妹ブログ、『よしおとよしこの企画捨て場』(http://kikakuinu.exblog.jp/)は永遠のライバルです。アッチが生ゴミなら、コッチは粗大ゴミで勝負だ!


by yoshiotoyoshiko

企画置き場④

●企画名
「『オレ、フランスで画家になるから』みたいな人」
●企画趣旨
 唐突に「オレさあ、実は小さい頃からフランスで画家になるのが夢だったんだよね」と絵もろくに書いたことないくせに、ありがちな夢を語り出す。「フランスのあのエッフェル塔の下で、真っ赤なベレー帽かぶるんだぜ。どうだ、うらやましいだろ?」と自慢して、「いや、別に…」とでも言おうものなら、「ケッ、どうせお前はしがない一生日本組だよな。ところで…」と激怒しながらもアチコチで借金を重ねて、本当にフランスに旅立つ。
 あんな奴でもいないと少しは淋しいなあと思い始めた頃、「やっぱさあ、オレ、あれが苦手なんだよね。チマチマ料理出しやがって、食った気がしないんだよ。何がフランス料理だ、ムッシュ!」と平然と帰国したのも束の間、「実は小さい頃からイタリアでヒモになるのも夢だったんだよね」とまた新たな夢を語り出す。
 身近に一人でもいたら迷惑な、そんな人物を紹介する企画。まあ、海外に出ていくのは一流の人物だけではないですから。
●企画サンプル
「オレさあ、実は小さい頃からフリーの戦場ジャーナリストになるのが夢だったんだよね」
 と高らかによく分からない宣言をして、タイ・ビルマ国境に向った友人Aくん。
 2ヶ月後。Aくんから一切連絡もないので、そろそろ死んだのかなあと思っていると、「はい、コレ、お土産」
 と真っ黒な顔になったAくんが象の置物と一緒にひょっこり帰国。
「タイってすげえ暑くてさあ。暑がりなオレには貧乏臭い戦場ジャーナリストの王道は無理だわ。そういえばオレ、小さい頃から小説家になるのも夢だったんだよね。まあ、小説家で一発当てて、そのドサクサと大金に紛れて、セレブな戦場ジャーナリストの道を一人行くわ」
 と改めて宣言したAくん。聞きたくもないのに、無理矢理聞かされた彼の話によると、こういうことだったらしい。
 まずタイのバンコクに着いたAくんは、内務省に取材許可証を貰いに行った。タイ・ビルマ国境付近に点在する、ビルマの軍事政権に迫害された少数民族カレン族の難民キャンプを取材するために。タイ側にある難民キャンプはタイ軍が管理しているため、取材許可証が必要だったそうだ。
 しかし、内務省内を散々たらい回しにされた挙句の果てに、ある役人からタイ語で書かれた一枚の紙切れを手渡された。当然、流暢な日本語と拙い英語しか使えないAくんには理解できない。その役人に説明を求めても、手振り身振りで帰れと言うのみ。
 仕方なくAくんは泊まっていた安ホテルのおばさんに翻訳して貰った。その紙切れには「この日本人は一体何を言っているんだ」
 と書いてあったそうだ。
 土人のあまりの言い種に腹を立てて、朝からビールを飲むようになったAくんを天は見捨ててはいなかった。彼が取材する予定だったカレン族の過激派が、タイのラーチャブリーという街にある病院を占拠する大事件が勃発したのだ。
 しかし、タイ在住のAくんがその事件を知ったのは、金の無心をするために日本在住の母親に国際電話を掛けたときだった。
「あんた、あんな恐ろしい事件を取材しとるの」
 と母親の口から事件の詳細を手に入れる、Aくんの戦場ジャーナリストぶり。
 ぐずぐず用意をしてから、Aくんは急いでバンコクから列車で3時間ほどのラーチャブリーに駆けつけた。大事件が起こっているとは思えない、静かな街だったそうだ。親切そうな駅員さんにカレン族の過激派に占拠されている病院の場所を聞いた。
「オオ、イエスターデ―、フィニッシュ!」
 と駅員さんは笑いながら教えてくれたそうだ。
 完全にキレたAくんは気持ちを切り替え、象に乗ったり、川をイカダで下ったり、海で泳いだりと、タイでのバカンスを思いっきり謳歌してきたとのこと。
 そのAくんが最近、「オレ、小さい頃からライターになるのも夢だったんだよね。で、オレの未来予想図としては、ライターからどさくさに紛れて小説家になって、またどさくさに紛れて戦場ジャーナリストになるって感じ」と三度の宣言をしていました。
 いくら他人事とは言え、Aくんのこれからの人生が心配です。

●企画名
「イメトレで勝つ!」
●企画趣旨
 一流のアスリートは試合前、イメージトレーニングで勝利までの道程をイメージするという。もちろんそんな汗臭いことはしない。だって、イメトレの中なら素人だって一流アスリートに勝利できるのだから。例えば、柔ちゃんをピストルで撃ち殺すとか、50cm前から松井に剛速球を投げつけるとか、 中田にドリブルを教えるとか。毎回一流アスリートを俎上にあげて、イメトレでもうバタバタと勝利する企画。爽快感と虚しさを同時に味わうこと請け合いです。
●企画サンプル
□今回のイメトレ対戦相手:WBCヘビー級世界チャンピオン●●●●
□本文:
 オレの胸毛に覆われた逞しい胸で、ラウンドガールが静かな寝息を立てている。彼女のほっそりとした、柔らかな裸身にやさしくシーツをかけてやる。
 まあ、順を追って話そう。
 試合開始5分前。オレは対戦相手、WBCヘビー級世界チャンピオン●●●●の控え室に向った。
「行かなきゃな。世界一の男がリングで、オレを待ってるからな。ありがとう」
 と世界一の男に言うために。せっかくこのセリフの猛練習を重ねてきたのに、さすがまだ控え室にいる毛唐、日本語が分からずポカンとしている。
 再度、奴のそんな顔を見たのは1Rの終盤。オレの右ストレートが奴のテンプルを打ち抜いたときだった。マヌケ顔のまま、チャンピオンは膝からリングに崩れ落ちた。オレは赤十字の腕章をつけて奴に駆け寄る。
「どこか悪いんですか?」
 と。「コーナーに下がって」と試合前に100万程包んでおいた審判が偉そうにほざいた。その刹那、審判の顎はオレの左アッパーに打ち抜かれた。観客席が沸く。
 フッ―。オレはリング上で紫煙をくゆらす。さてどっちが先に立つかな。先に動いたのはやはり世界チャンピオンだった。オレはジーパンの尻ポケットに手を入れた。ひんやり冷えたマグナムの銃身が心地いい。フラフラと立ちあがろうとする奴の額に、マグナムの銃口をピタリと構えた。無駄な殺生はしたくない。しかし、試合に情けは無用。
 オレは目を瞑り、ためらわずに引き金を引いた。手応えがあった。目を開けると審判が血塗れで死んでいた。その傍らでチャンプが震えている。オレの中で何かが弾けた。奴に近寄り、至近距離から有り弾をすべてぶちこむ。濃い血煙と硝煙が立ち込め、そのせいかツルツルだったオレ胸に、胸毛が一杯生えた。
 テンカウントが鳴り響く会場を、オレはゆっくり後にした。一人っきりの控え室でオレは一本の電話を掛けた。
「あ、『ラウンドガール』さんですか?…後楽園ホールとかでも、女の子のデリバリー大丈夫ですか?…じゃあ、とりあえず1Rの看板が似合う女の子を至急お願いします。あ、チェンジありですよね?」

●企画名
「47人の日本人」
●企画趣旨
 日本全国47都道府県のそれぞれの県民性を探る企画。ただし、それぞれの都道府県出身者、ただ一人のデータ―だけを元に。例えば、青森県出身の小林さんが童貞喪失が25歳だとすると、「青森県の男性は概して奥手で、皆25歳で童貞を喪失する」となる。本当ではないが多分嘘でもない、そんなギリギリな線で新しい日本人論を展開する。
●企画サンプル
□山口県・山口山男さんのイラスト:山口県っぽい感じ。
□山口山男さんのプロフィール:生年月日―1975年8月8日。
              血液型―B型
              最終学歴―下関農業高校卒
              職歴―漁師
              趣味―特になし
              特技―釣り
              家族―妻と子供3人
□本文:
 山口県の特徴としてよく上げられるのが、1975年8月8日生まれの人が多いということである。民俗学的にはまだこの理由はまったく解明されていないが、山口県民の血液型でB型の占める割合、100%というのがその謎を解く鍵とされている。
 さて、教育熱が高いとされている山口県であるが、大学進学率は全国最下位である。ほとんどがなぜか最終学歴、下関農業高校卒である。ただ、中卒、高校中退者が皆無であることから識字率を始めとする読み、書き、そろばん等の基礎学力は非常に高いと思われる。あ、新情報によるとそろばんは習ってなかったということなので、そろばんは普及していないようだ。
 また無趣味な人が多い山口県であるが、その反面釣りが特技な人が多い。これは長州藩の名残とされている。後、海が近くにあるからだと推測される。
 昨今、全国各地で少子化の危機が叫ばれている。しかし、ここ山口県では各家族平均して3人の子供をもうけている。全国の出生率の低下を何とか底上げしている立役者こそ、山口県なのである。その理由として上げられるのがみんな職業・漁師である。漁師と言えば、血気盛ん、精液盛ん、魚臭い盛ん。と、こんな3つが一遍にきたら、夜の方も盛んに決まってるじゃん。
 結論として、山口県はなぜか山口という姓が圧倒的に多いという一言に尽きるだろう。

●企画名
「ケータイ推理」
●企画趣旨
 例えば電車の中で、立ち話をしている二人の会話を盗み聞く場合と、携帯電話で話している人の会話を盗み聞く場合、圧倒的に後者の方がイライラする。
 携帯電話の場合、一方の話しか盗み聞けないのだから当然のことである。じゃあ、せめてもの腹いせに、その一方の会話だけを元に、電話の向こうにいる相手とどういった会話をしているか推理してみようという企画。
 基本的に電車だけでなく、道端や喫茶店などで携帯電話で話している人を見つけて、その会話をメモして後でゆっくり推理する。できればその会話をテープに録音できると楽。
●企画サンプル
□携帯電話で話している人(Aさん)の写真:携帯電話で深刻そうに話しているAさん。
□Aさんと携帯電話で話している相手(Bさん)の想像イラスト:嫌そうな顔で話しているBさん。
□Aさんの実際の声とBさんの想像の声:
A「え、でも高くないですか、ソレ?」
B(10万くらいで済むなら、安いもんだよ。私を信用しなさい)
A「うーん、ソレが終わった後に払ってもいいんですか?」
B(君さあ、なめたこと言ってちゃ困るよ。前払いだよ、前払い)
A「でも保証っていうか、保険みたいなのはないんですよね」
B(別にイヤならいいんだよ。じゃあね)
A「あ、待ってください。イヤなんて言ってないじゃないですか」
B(フン、じゃあこの条件でOKなんだね)
A「はい、お願いします(と電話を切る)」
□本文(ケータイ推理):
 この会話からAさんは患者。しかも、かなりの急患とケータイ推理できる。そういう話になると決まって、Bさんは医者。残念なことに何となく、彼はもぐりの医者であると断定せざるを得ない。ただBさんの名誉のために言っておくと、もぐりと言ってもさる事情で表の医術の世界を追い出された彼の腕はピカイチである。これは上記で「私を信用しなさい。人妻って燃えるよね」とBさん本人が言っていることから容易に推理できる。
 現在Aさんは間違いなく、下の病気に悩んでいる。「終わった後に払ってもいいんですか?」とのAさんの発言から後払いの習慣、つまりヘルス通いしていることは容易に想像がつく。また理由はよく分からないが、彼の手術受ける気満々が伝わってくるよね。まあ、そういった場合、下の病気が相場!
 もうケータイ推理するのもめんどくさいので、結論として手術は明日、新大久保のラブホで行われる。Bさんはその日が記念すべき手術デビュー。おめでとう。即日、Aさんは後悔すらできない身の上になりました。公共の場での携帯電話の使用はやめましょう。
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by yoshiotoyoshiko | 2007-04-11 16:32 | 企画置き場